移植医療を支えてきた皆さまへ
小児期の移植医療では
入院前後や手術前後の長い時間を共に過ごし、
医療チームとご家族・子どもたちは深い信頼関係を築いていきます。
その関わりは、AYAらにとって“第二の親”のような存在になることもあります。
なお、例えAYA期以降に移植を受けた方々、
つまり移植という選択を自分で理解して受けた方々も、
同じ年代ならではの葛藤や孤独を抱えることがあります。
背景は違っても、互いの経験を理解し合える部分は多くあります。
成長とともに見えにくくなる“本音”
AYAらは思春期・若年成人期に入ると、
「今をどう生きるか」という感覚が強くなります。
その一方で、
- 薬を飲むことへの抵抗
- 周囲との違いへの戸惑い
- 「なんで自分だけ?」という思い
- 親や医療者の前では言いにくい本音
こうした気持ちが生まれます。
時には強い言葉を口にすることもありますが、
それは本心ではなく、
“わかってほしい”という気持ちの表れです。
心の奥には、
命をつないでくれた医療者への感謝が確かにあります。
ただ、素直に言えない時期があるだけです。
医療者とNPOが協働できる領域
・移植後の生活支援に関する情報提供
・患者さん・家族の不安軽減
・医療者同士のつながりづくり
・移植医療の未来を共に考える場づくり
トランジションの難しさは、“年齢”ではなく“関係性の変化”
小児科での関係構築
小児科では、
- 長い入院期間
- 手術前後の密な関わり
- 成長を見守る時間
こうした積み重ねがあり、関係構築が自然に生まれます。
成人科での関係構築
成人科では、
- 多くの場合、外来診療から関係が始まる
- 生活背景を共有する機会が限られる
という構造があり、
AYAらは「自分のことを理解してもらえているのか分からない」と感じやすくなります。
医療者側も、
「距離の取り方が難しい」
「どこまで踏み込んでいいのか迷う」
と感じることがあります。
本当は話してほしい“生活の変化”
恋愛、進路、就職、親元を離れての生活など、
アドヒアランスに影響しうる生活の変化は、
医療チームとして知っておきたい大切な情報です。
しかし外来診療の忙しさを目の当たりにすると、
AYAらは「今この話をしていいのだろうか」とためらってしまいます。
また、施設によっては
レシピエントコーディネーター(RTC)が
生活背景や悩みを丁寧に聞き取る役割を担っていますが、
すべての医療機関に配置されているわけではありません。
こうした“話したいけれど話しにくい”状況が、
トランジションをさらに複雑にしています。
AYATOMO Plus が拾っているのは、“医療の外側にある声”
AYATOMO Plus は、医療の外側にいるからこそ、
AYAらの本音や生活の変化を拾うことができます。
それは、
「誰か一人の意見」ではなく、
“この世代の移植経験者には、こういう傾向があることが多い”
という集合的な声です。
医療者のみなさまにとって、
診療の中では見えにくい部分を、
そっと補う“もうひとつの視点”になれればと考えています。
自立の過程で生まれる“医療と生活の間”をつなぐ
AYAらはいずれ、
学業、就労、恋愛、結婚などのライフイベントを経て、
それぞれの人生ストーリーを歩んでいきます。
その過程で、
医療と生活の間に“隙間”が生まれます。
その隙間を埋めるのは、
医療でも家族でもなく、
同世代の移植経験者の声
であることが多いのです。
AYATOMO Plus は、
その声を丁寧に拾い、
医療者のみなさまにも共有していくことで、
トランジションの負担を少しでも軽くできればと考えています。
AYATOMO Plus ができること
- AYAらの集合的な声・価値観・経験を共有すること
- 医療の外側から、移植後の生活のリアルを届けること
- AYAら同士のつながりを育て、自立のプロセスを支えること
- 医療者のみなさまが診療の中で見えにくい部分を補う“視点”を提供すること
最後に
小児期・成人期を問わず、移植医療を支えてきた皆さまの歩みは、
AYAらの未来につながっています。
AYATOMO Plus は、
医療の外側から拾える声を通して、
その未来を一緒に支えていければと考えています。

